バリ島ニュピで見た、今も心に焼き付いている100万ドルの星空

20代前半の頃に行った長期旅行での体験です。

インドネシアのバリ島に行きました。すでにバリ島へは3度目の渡航でした。向こうには日本人の友達がいるので、いつも滞在中は友達と遊んだり、一人でのんびり過ごしたりしていました。

友達は結婚して当時小さなアパートに住んでいたので、その部屋にもよく遊びに行っていました。大抵、他愛のない話をしては大笑いしたり、何でもないことを真剣に語り合ったり。そうかと思えばバリ島の中を2人で旅行に行く計画を立てたり。

今思えば自由で楽しい時間を過ごしていたなと思います。

3度目の滞在中に、ニュピというヒンドゥー教の新年にあたる日を体験してみたくて、友達と一緒に過ごしてもらうことになっていました。

ニュピは1日外出してはいけない日で、火や電気も使っては行けません。旅行者も同じです。

ホテル内で過ごすにはそこまで不便はないですが、やはり前日から買い出しに行って食料にも困らないようにしなければいけませんでした。

万が一外出してしまったりすると警察に捕まってしまいます。どの家でも光が漏れないように窓に段ボールを張ったりしているのが印象的でした。

電気を使っちゃいけないにも関わらず、やはりなかなかそんなこともできないので、せめて外に光が漏れないようにしているようでした。

そんなニュピの前日に「オゴオゴ」とういうお祭りがあります。各地区が日本でいう神輿の代わりに悪霊をモチーフにしたとっても大きな人形を作り、担いで街を練り歩きます。

爆竹がなったり若者も大騒ぎで、盛り上がります。私も当時友達と一緒に見に行きました。日本のお祭りも楽しいですが、迫力が何か違ってすごく興奮しました。

そしてそのまま友達のアパートに泊まらせてもらいました。どこにも行けないのに一人で過ごすのも寂しかったので。

オゴオゴが終わったニュピ当日の街はひっそり静まり返り、昨日の賑やかさが嘘の用でした。

友達の部屋でいつものごとくお喋りに花を咲かせ、とにかく食べては喋り、食べては喋り、ひたすらその繰り返しでした。よく会話が続いたなと思いますが、そこは女子2人丸2日間喋り続けました。

喋り続けてそろそろ疲れたねとか何とか言いながら寝ようとしていた時、外でざわざわ声がしたので恐る恐る出てみることにしました。

アパートの人たちが集まって喋っていました。言葉がわからない私には何かわからなかったけど、何だ何だ?と一緒に混じってみたその時、友達が私に「見て!」と言いました。

その先は、夜空でした。

もうこんなにびっくりしたことありません。満点の星空です。島中みんなが電気を使っていない、もしくは窓から明かりが漏れないようにしていて、コンビニさえ閉っていて街灯も付いていませんでした。

本気で真っ暗だから、まるでプラネタリウム状態の空です。本当に綺麗でキラキラしていて心から感動しました。

あの星空を言葉にするのが難しいです。こんな世界あるの!って思いました。

結局すぐに遠くから見回りの人の声がしたので、みんな大急ぎで部屋に戻りましたが、いつまでも見ていたい感動の夜空でした。10年以上たった今も心に焼き付いています。未だに友達との思い出話に出てくる話題です。

バリ島から帰国する時に飛行機からみる夜景は日本とは比べ物にならない光の小ささです。電圧も低いしヤシの木より高い建物も建っていない、やっぱりバリは田舎です。

それでも街頭や家の明かり、街のネオンはわかります。そんなバリ島の普段の夜空も確かに星は多いけれど、それくらいなら日本の田舎でも同じじゃないかなと思います。

でもニュピのあの夜空には絶対にかないません。宗教を重んじる国インドネシア、バリ島だから宗教行事の為に電気を使わないなんてことができるのかもしれません。

宗教とは関係なくしてもきっと日本ではできません。もし奇跡が起きて、たった一時間でも高層ビルや繁華街のネオンが消えたら日本という国の上にいったいどんな夜空が現れるんだろうと思います。

日本であんな夜空を見て見たいし子供にも見せてあげたいです。省エネとか色々なかなか難しくてできないけど、どんな言葉よりあの奇跡を見たらすぐにでも世界は変わるんじゃないかと思ってしまいます。

大都会の100万ドルの夜景より、田舎の満点の星空の方が私には強く心に焼き付いています。