感動エピソード

孤独死を覚悟していた私に、手を差し伸べてくれた彼の話

私はとても若く見られる為、とある年下の好みの男性から言い寄られていました。

声も、体格も、性格もとても素敵で何一つ嫌いになる要素が無いような素敵な人でしたが、一つだけ困ったことに年齢差がすごくありました。

ひとまわりくらいの年の差があり、彼の母親の方が私と歳が近いのでは?と言うくらいの年の差でした。

最初は本当に弟、どころか自分の子どもに近いくらいの感覚で、おばちゃんが若い子の悩みを聞くくらいの気持ちで関わっていました。

しかし、いつの間にやら彼の中ではそうではなくなっていて、困ったことに一緒に居たいアピールがすごくなり、どうしたものかと悩んでいました。

その時点では私自身は「彼は私の年齢を知らないから、こんな事を言ってきたのでは?」と思っていたので、なんとなく冗談にしてあしらっていました。

とても押しの強い彼で、私は自分の悪い所や性格的にダメな所を引き合いにしては、なんだかんだと言って断っていました。

しかし、断りきれずに一緒に居るうちに、だんだんと彼の存在自体が私の中でも大きくなりつつありました。

本当は同世代なら飛び込みたい所だったのですが、こんな年寄を若い子に背負わせるなんて、それこそ酷というもの。それにもし付き合ったとしても、向こうの親が許さないと私は思いました。

いいかげん結婚適齢期を過ぎすぎた私が、男性からしかもこんなに年下の子から、言い寄られるなんて考えもしなかった事で、自分自身もどう対処していいかわかりませんでした。

彼からはとうとう「付き合ってほしい。」の言葉が出てきたのです。

しかし、彼はまだ大学生だったのでそれを理由にしようと「社会人になって稼いでからじゃないと無理」と断りました。

すると彼は平然と社会人になるまでの後1年頑張ります!と一緒に居る宣言。ほかにも、たくさん無茶苦茶な話をしました。

私は年取ってるから、今から付き合うという事はイコール結婚なんだよ?とか、

私は朝が苦手だから、結婚なんかしたら最悪だよ?とか、

家事が大嫌いだし!とか、

とにかく諦めそうな事をかたっぱしから伝えてみたけれど、一向に諦める気配はありませんでした。

そうして、1年が終わろうとしたその時にとうとう、本当の年齢を伝えないと諦めてくれないのでは!という気持ちになり、はっきりと年齢を伝えました。

これでお別れだと、私もちょっとさびしい気持ちもありましたが、これから自分の老後をこの子に面倒見てもらう訳にはいかないと、意を決して伝えました。

「知ってます。」と一言。

最後の手段も通用しませんでした。もう、彼を拒否する理由がなくなってしまいました。彼は私の年齢を最初から知っていて、言い寄って来ていたのです。

私はパニックになり、自分の思って居た事を全てぶちまけました。こんな年齢だし、子どもだってもしかしたら出来ないかもと、それ以上にまだ君が若いのに結婚なんて、可哀想だの、君の両親だって反対するに決まっていると。

とにかく自分自身が不安な材料を、全てぶちまけてしまいました。もちろん、性欲だって年取れば私の方が衰えて君が満足できなくなるかもとか、そういうディープな話までしました。

しかし、彼は笑って全部大丈夫だと言うのです。しかも私の不安要素を全て、丁寧に一言一言「自分が出来ます。」「大丈夫です。こうしますから。」としらみつぶしに、私の不安を全て取り除いて行くのです。

私は本当に困りました。そうして最後に出てきたのが「あなたに私の老後の介護をさせる訳にはいかない。」と言い逃げしました。

基本的にはいつも彼から連絡が来ていたのですが、言い逃げした日からは彼からの連絡が途絶えました。

これできっと諦めてくれたんだと、ホッとする気持ちと本当は一緒に居たかったという気持ちの半々で、少し切なくなったのを覚えています。

何度も何度も、彼と同じ年だったら速攻飛び込んでいたのに、とこれほど自分の年齢を呪った事はありませんでした。彼と一緒に居るとまるで自分の半身に会えたかのように、気持ちが穏やかに落ち着いてとても居心地が良かったのです。

それを失うのは本当に辛かった。

だからと言って若い将来のある彼に、こんな年寄の人生を背負わせるなんて出来ないし、もし結婚してから浮気されても自分が辛すぎるし、ましてやシングルマザーに自分がなったとしたら、やっていけるか?とリスクばかり考えて、結局は彼に諦める選択を選ばせる行為しか出来なかった。

心のどこかで、これでいいんだよね。とつぶやいていた時、彼からメールが来た。

「会いたいです。」と。

そうして彼と会う事になった。彼の最初の一言は。。。。

「介護の資格、取ってきました!これで僕にも介護が出来ます。だから安心してください。」

「・・・・・・」

私は一瞬ポカーンとしてしまいました。そういう意味で言った訳じゃないのに、もう笑うしかありませんでした。もう私の不安なんて、彼が全部吹っ飛ばしてくれました。

ちなみにこの彼が今の旦那様です。