感動エピソード

幼稚園の担任先生と園長先生が息子についた優しいうそ

千葉県在住で40代後半の専業主婦、ななです。幼稚園の先生の優しさに出会えた子育て時代のエピソードです。

幼いころの子供の時間はあっという間に過ぎてしまいます。
気づいたときには親離れも終ってしまって、大変だった子育て時代が懐かしく思えてきます。
そんな子育てに追われていた頃に幼稚園の先生がくれた優しいうそのお話です。

専業主婦をやめ、仕事をはじめることになった

念願の我が子が生まれたことをきっかけに、幼い貴重な時間は子育てに専念したいという気持ちから私は仕事を辞めて専業主婦になりました。
初めての育児は嬉しかったり、悩んだり、感動したり、落ち込んだりと毎日いろいろなことが起こりましたが充実した日々でした。

子供の成長はとても早く、あっという間に幼稚園の入園の日を迎えました。
子供も幼稚園を気に入り楽しそうに通ってくれたので、私も新しい仕事を始めることにしました。

しばらくは幼稚園のお迎え時間には間に合うように短時間の仕事をしていましたが、勤務先からの要望もあり仕事の時間を少し伸ばすことになりました。

日に日に元気がなくなっていく息子

息子に「ママ、もう少し長くお仕事してって会社の人に頼まれちゃったんだけどどうかな?その間ゆうくんは「のびのび」のお部屋でお仕事終わるまで待っててもらうことになっちゃうんだけど大丈夫?」と尋ねました。

その時は息子も元気よく「大丈夫だよ、のびのびのお部屋でいつもみーくんもママのお仕事が終わるまでまってるもん。ぼくもまてるよ。」と頼もしい返事をしてくれました。
しばらくは息子ものびのびのお部屋で元気に待つことが出来ました。

息子は幼心に、私に心配をさせてはいけないと思ったのか元気にふるまっていましたが、きっと内心はさみしかったのでしょう。幼稚園の先生からの連絡帳にはのびのびのお部屋で待っている時間は少し元気がなくなっている様子が書かれている日が多くなりました。

先生も私が仕事を始めて間もないことを理解していてくれたので、一生懸命なだめたり、一緒に遊んだりして息子の気持ちを和らげてくれていたようです。

幼稚園の先生からのメッセージ

そんなある日仕事が終わりお迎えに行くと、先生が部屋の前で私に手招きをしています。
ちょっと不安になった私は先生に「何かありましたか?」と尋ねました。
すると先生は

「詳しいことは連絡帳に書いてありますから、今日の帰りの車ではゆう君のいうことにただ話を合わせてくださいね

と笑顔を浮かべて言いました。

何だろう?ってちょっと気になりましたが、そのまま部屋に行き息子を連れて車にのりました。
すると息子が「ママ、僕あれから泣くのやめたよ。ママは電話でお話してて社長さん怒られなかった?」と話し始めました。
私は全く意味が分かりませんでしたが先生に言われた通り「う・・ん。大丈夫だったよ」と話を合わせました。

「また、寂しくなったら電話してもいい?」と尋ねるので「う・・ん。いいよ・・」とこれも意味は分かりませんでしたが返事をしました。
息子はいつもより元気な様子で、家に車がつくと部屋のおもちゃで遊び始めました。
私が気になっていた連絡帳を開くとそこには長いメッセージが書かれていました。

「実はお母さんを待つ時間、最近は特に元気がなかったんです。今日はさみしさもたまっていたのか急にぽろぽろと涙があふれてきてしまいました。ママはまだ?ママはまだ?としきりに聞いてきました。そこでちょっと園長にママの代役をお願いしました。・・」

先生と息子のやり取りはこんな感じだったようです。

(ママはまだ?と涙をこぼして尋ねる息子に先生が)
ねえゆう君、ママに電話してみようか
でも会社に電話して、まま社長さんに怒られない?
大丈夫だよ。じゃあかけてみるね

ここで先生は園長室に電話を掛けます。

もしもし、ゆう君のお母さんお願いします

そして受話器を息子に渡して

今変わってくれるから、受話器を耳にあてて

ここからは園長演じるママ息子との会話です。

もしもし?ゆう君?どうしたの?
まま?、ママもう帰ってくる?早くむかえにきて

ママもうちょっとお仕事なんだ。さみしくなっちゃった?
うん。早くむかえにきて

じゃあ、お仕事終わるまでちょっとお話してようか
おでんわしていて社長さんにおこられない?

大丈夫、お仕事しながらお電話していられるから
今日ね、みーくんと砂団子つくったんだ

へーすごいね。こんど出来たお団子見せてね
いいよ。ぼくの方が上手にできたんだよ
へー、そうなんだ。すごーい。

こんな園長ママと息子の会話がしばらく続いて

じゃあ、もうお仕事終わったから今から迎えに行くね
わかった!またさみしくなったら会社でんわしてもいい?
いつでも大丈夫だよ。寂しくなったら電話してね

そんな電話が終わって間もなく、何も知らない私がお迎えに行ったみたいでした。

それから1〜2回息子から担任の先生経由で園長ママに電話することはあったようですが、
寂しくなったらいつでも電話できることで安心したのかその後息子は元気に私のお迎えを待ってくれることが出来るようになってくれました

担任の先生と園長先生が息子のさみしさも察してくれて、私の仕事も考慮してくれて演じてくれたママの代役の優しさに感謝の気持ちでいっぱいでした。たった一つ、息子が園長ママの声を私と信じ切っていたのはちょっと寂しい気もしますが。笑

ゆっくり、こどもの成長に向き合うこと

子育ては大変です。計画通りに進むことなんてありません。

でも一日一日子供は成長しています。今の大変と思う時間が、振り返ると一番感動した時間になっています。

焦らずに今の時間を大切に子育てをしてください。

親離れしてしまう時間はあっという間にきてしまいます。