日常生活のあらゆる場面で必ずといってよいほど経験するイラ立ち。あなたにも思い当たることがありませんか?
「相手は鏡」とよく言われるように、私達はいつも自分の心を人に投影しています。
ということは。誰かの言動にイラ立つときは、自分を相手に映し出しイライラしているということ。
それはもしかしたら、自分が改めた方がよい点かもしれません。また逆に、活かしきれていない自分の良い点かもしれません。
あなたの中にある苛立ちの原因を解消して、心の広い人になる方法をシェアします。
目次
怒っているのはなぜか考える
あなたがイライラするときはどんなときでしょうか?
小さなことからで構いません。実際に書き出してみてください。
例えば。
- 割込み乗車をする人にイラっとした。
- 上司の自慢話にイライラした。
- サボっている人にイライラした。
いろいろ出てくると思います。
次に「イライラした」の後に「私はちゃんとやっているのに」と書き足してみてください。
- 割込み乗車をする人にイラっとした。「私はちゃんとやっているのに」
- 上司の自慢話にイライラした。「私はちゃんとやっているのに」
- サボっている人にイライラした。「私はちゃんとやっているのに」
いかがでしょう?
意外とスムーズに当てはまることがあったのではないでしょうか?実際に口に出したり思ったりはしなくても、このように無意識に「私はちゃんとやっている」と思っているから、イライラするのです。
「自分はちゃんとやっている」と思うから損をしている気分になる
ここでポイントになるのは「皆んながちゃんとやっている」のではなく「自分はちゃんとやっている」という点。
だから、やっていない人を見ると、なんだか自分が損をしたような気分になり相手のことが許せなくなる…イライラするとはそういった怒りなのです。
このように、私達が怒りを感じることの背後には「自分が損をしている」という気持ちが隠れています。
では、なぜ損をしたと感じるのでしょうか?
それは
そう思っているからにほかなりません。
「してはいけない」の裏側にある自分のルールを知る
では、イヤなことであるにも関わらず、あなたはなぜ「ちゃんとやっている」のでしょうか?
先に書き出した例をもとに、どんなことを「ちゃんとやっている」のか掘り下げて考えてみてください。
「してはいけない」という言葉を使って、あなたの中にある「ルール」を文にしてみましょう。
例えば。
・割込み乗車をする人にイラっとした。
【ルール】自分勝手にふるまってはいけない
・上司の自慢話にイライラした。
【ルール】自慢をしてはいけない
・サボっている人にイライラした。
【ルール】真面目でなくてはいけない
書き出してみるとわかるように、あなたはルールを守っています。そのルールとは「してはいけない」でできています。
つまり。
あなたの言うルールとは「禁止事項」です。
だから「してはいけない」ことをする人が許せない。怒りがわいてくる。そういう仕組みになっているのです。
禁止したのは自分と認める
このようにあなたは自分自身に様々なことを「してはいけない」と禁止しています。
なぜ禁止するかといえば、それをすることによってあなた自身に不都合なことがおこるからです。
では、不都合なこととは何でしょう?再度、掘り下げて考えてみましょう。
先の例に「しなかったらどうなる?」という言葉を付け足して考えてみてください。
例えば。
- 自分勝手をしたらどうなる? → 責められる
- 自慢をしたらどうなる? → 嫌われる
- サボったらどうなる? → 叱られる
責められたり、嫌われたり、叱られたりしたら、誰でも傷つき悲しい気持ちになってしまいますね。
誰だって味わいたくない感情です。
自分独自のルールを、過去の経験が作り出している
では、どうしてあなたはそう思っているのでしょう?そう思うようになったのでしょう?
実は、これらはあなたが「過去に経験したから」に他なりません。
- 「自分勝手にしたら責められた」
- 「自慢をしたら嫌われた」
- 「サボったら叱られた」
記憶に残らずとも、こういった経験を幼い頃にしたのかもしれません。
あるいは親や身近な人の経験を見聞きしたのかもしれません。
だから、「自分が嫌われないため」に「自分が責められないため」に「自分が叱られないため」に自分勝手や自慢やサボることを禁止したのです。
「自分が傷つかないため」に、「悲しい感情を味わわないため」に、「してはいけない」と、あなたが自分自身に禁止したのです。
自分でルールを作って、自分を守っている
その「禁止事項」を守ることにより、あなたが無用に傷ついたりイヤな思いをしたりすることを避けてくることができた。
だから、その「禁止事項」は正しいこと、すなわち「ルール」だと無意識に思い込んでしまったのです。
つまり。
禁止しているのは自分自身。
禁止されているのも自分自身。
そして、なぜ禁止しているのかといえば、あなた自身が傷つきたくないからです。
過去の自分と向き合ってみる
また、それらの「禁止事項」はあなたが幼い頃に決めたことだとしたら…。あなたは今も「幼いあなた」が決めたルールにのっとって生活をしているということになります。
ここで再度、自分に問いかけてください。
大人になった今のあなたにそのルールが必要でしょうか?
もう十分に成長したあなたは、そのような禁止事項で自分を律さなくとも、傷つかないでいられるのではないでしょうか?
様々なことに柔軟に対処できるのではないでしょうか?
もう、その「禁止事項」は手放して良いのではないでしょうか?
「してもいいし、しなくてもいい」に変える
「相手は鏡」。
鏡は反対に映ります。あなたの右手は相手の左手、相手の口は自分の口。
相手に映して観ているものは自分とは真逆、あるいは全く同じもののどちらかです。
自分勝手に振る舞う人にイラっとするのなら、あなたにも実は自分勝手な部分があるのかもしれません。
そもそも自分が決めた「ルール」で何かをジャッジすること自体が自分勝手ともいえます。
逆に、もっと自分のやりたいことを人の目を気にせずやった方が良いという人もいるでしょう。
これは、あなたにも実は認められたい・誉められたいという気持ちがあるからです。
あるいは、もっと自分の良いところを認め、自信を持って良い、活かした方が良いということかもしれません。
こんな人は、頑張りすぎなのかもしれません。
そんなに頑張らなくてもいいよと、そのイライラが教えてくれているのではないでしょうか?
逆に、しなければいけないのにしていないことが自分にもある…それを無意識に感じているのではないでしょうか?
そうです。
イライラという感情は、自分自身を縛る禁止事項をあなたが持っていること、そして、もうそれは手放しても良いというサインです。
だからイライラする原因、禁止事項を探し出したら、あなた自らが「しなければならない」をやめると決めてください。
すると、たったそれだけで「しなければならない」が「してもいいし、しなくてもいい」に変わります。
結果、自分に対する許容範囲が広くなり、他人に対しても「してもいいし、しなくてもいい」と許すことができるようになり、イライラすることがどんどん減っていきます。
まとめ:「相手は鏡」=「自分も相手の鏡」を意識しよう
「許容範囲が広い」とはすなわち「心が広い」こと。
心が広い人には自然に人が集まります。
では、どうすれば良いかといえば、他人にではなく自分に対する許容範囲を広げることが先決です。
自分を許せなければ他人を許せるはずがないのです。
自分への許容範囲が広ければ広いほど、他人に対しても許容範囲が広くなれるのです。
十分、いえ十二分にあなたは自分を律してきました。
もう、良いのではないでしょうか?
自分を自分で縛らなくても良いのではないでしょうか?
自分で自分に課した「禁止事項」は、破ってしまいましょう。
自分に許可を出してください。
そして、穏やかで伸びやかな暖かい日々を過ごしてください。
相手は鏡。ならば、誰かにとってはあなたが鏡。
あなたの心が広くなることは誰かの心も広くなること。
あなたが穏やかでいることは相手も穏やかでいられること。
だから。
自分で自分に許可を出すことは、あなたにも周囲にも素晴らしいギフトとなるのです。