豆乳ヨーグルト表面の水分の正体はホエイ!栄養や効果、活用方法を紹介
2023-01-24(公開日:2022-11-21)
豆乳ヨーグルトの表面に出てくる透明の水分。「分離した?」と捨てている人も多いかもしれません。その正体は「ホエイ」「上澄み」などと呼ばれる、栄養豊富な水分です。
今回はホエイの成分や効果など知られざる魅力に迫りながら、活用方法まで詳しく紹介していきます。
豆乳ヨーグルトから出る水分は「ホエイ」
「ホエイ」とは、豆乳ヨーグルトの上に溜まっている透明の水分です。「乳清」「上澄み」などと呼ばれ、実は乳酸菌や栄養がたっぷり含まれています。飲料や料理に混ぜて摂取したり、化粧水や入浴剤として使うなど、生活のさまざまな場面で活用できる水分です。
豆乳ヨーグルトのホエイはシンバイオティクスな食品
「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。プロバイオティクスとは体にいい影響を与える善玉菌のことで、代表的な菌が乳酸菌です。対してプレバイオティクスとは、善玉菌の成長や活動を助けるエサのことで「オリゴ糖」や「食物繊維」がそれにあたります。
対して豆乳ヨーグルトのホエイは「シンバイオティクス」な食品です。シンバイオティクスは「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」の効果を同時に摂取できる食品で、腸内環境の改善や健康増進に役立ちます。
つまり豆乳ヨーグルトのホエイは、プロバイオティクスとプレバイオティクスのイイとこ取りで、高い相乗効果を期待できる食品ということですね。
豆乳ヨーグルトのホエイの栄養と効果
豆乳ヨーグルトのホエイは、ただ分離しただけの水分ではありません。次に紹介する6つの栄養素がたっぷり含まれた水分です。
- 乳酸菌
- 乳清タンパク質
- 必須アミノ酸
- カルシウム
- ビタミン
- ミネラル
豆乳ヨーグルトのホエイから摂取できる乳清タンパク質は別名「理想のタンパク質」と呼ばれます。その理由は主に「乳清タンパク質と必須アミノ酸を同時に摂れる」からです。
乳清タンパク質に含まれるアミノ酸は、私たちの体内では生成できない「必須アミノ酸」です。
必須アミノ酸は食事やサプリから補う以外に摂る方法がなく、不足状態ではタンパク質が生成されません。筋肉量や基礎代謝量の低下を招くため、タンパク質と併せて摂ることが大切なポイントになります。
また豆乳ヨーグルトのホエイには大豆イソフラボン、ビタミンやミネラルなど、美肌効果の高い栄養素が豊富に含まれています。
大豆イソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをする成分で、コラーゲンの合成に役立ちます。乳酸にも肌のくすみ改善の効果が期待できることから、ホエイは美容効果の高い水分ということが分かります。
豆乳ヨーグルトのホエイが分離する理由とは
そもそも豆乳ヨーグルトの原料となる豆乳は、大豆に水を加えて煮出して絞って加工したもの。そのため、豆乳ヨーグルトとして発酵する過程で大豆の固形分と水分が分離するのは自然なことといえます。
また、豆乳ヨーグルトのホエイは「発酵が進んだ」や「衝撃が加わった」などの理由で、量が増えることがあります。栄養が豊富な水分ですので、褐色やピンクなどの変色や刺激臭などがしない限りは食べても問題ありません。
豆乳ヨーグルトの発酵が進んだ
豆乳ヨーグルトのホエイが増える理由のひとつは、活発に働く乳酸菌にあります。そもそも豆乳ヨーグルトは、豆乳に含まれるタンパク質が、乳酸菌の働きにより発酵して固まったものです。豆乳ヨーグルトとして完成しても乳酸菌が働いている限り、ホエイは発生します。
また、発酵最適時間を上回って放置してしまった場合、過発酵してしまうことにより固形分とホエイ(水分)が分離してしまうことがあります。
衝撃が加わった
手作りした豆乳ヨーグルトは、衝撃が加わるとホエイが増えます。市販のヨーグルトはしっかり固めるため、ゼラチンや寒天を使う場合がありますが、手作りでは使いません。乳酸菌の働きだけで固めているため、食べる分をすくい出した後の豆乳ヨーグルトには、すくい出した際の衝撃によってしばらくすると水分が浮き出てきます。
豆乳ヨーグルトのホエイの活用方法7選
表面に浮き出してきてしまったり、水切り豆乳ヨーグルトなどを作った際に濾されて出てきた大量のホエイ。捨ててしまっていませんか?前述のとおり、豆乳ヨーグルトから出てきたホエイは乳酸菌や栄養が豊富です。
できれば捨てずに、毎日の料理や飲みものに活用したいですよね。ここでは豆乳ヨーグルトのホエイの活用方法7選を紹介します。
豆乳ヨーグルト作りの種菌として使う
豆乳ヨーグルトのホエイには1gあたり約30億個の乳酸菌が生きていると言われるほど、菌が豊富な水分であるため、継ぎ足し発酵(種継ぎ発酵・植え継ぎ)の種菌として利用することができます。
ただし物理的な水分量が増えるため、やわらかめ(ゆるめ)の仕上がりになります。理想の仕上がりを想定しながら、配分に気を付けましょう。
甘酒やジュースに混ぜて飲む
豆乳ヨーグルトのホエイは甘酒やジュースに混ぜて、そのまま飲んでもOKです。いつもの飲みものが、簡単に乳酸菌飲料になります。オレンジジュースや野菜ジュースに入れれば、子どもにも飲みやすいはずです。
漬け物を作る
豆乳ヨーグルトのホエイを活用すれば、乳酸発酵の漬け物が簡単に作れます。作りかたはキュウリなど漬物にしたい野菜と塩、ホエイをポリ袋に入れて揉みこむだけ。ポリ袋の空気を抜いて、少し置いたら食べごろです。置く時間によって浅漬けにしたり、乳酸発酵が進んだ酸味のある味わいも楽しめます。
肉料理の仕込みに使う
豆乳ヨーグルトのホエイに含まれる乳酸菌は、肉のタンパク質や脂質を分解する働きがあります。肉料理の仕込みに使うと、肉は柔らかくなり旨味もアップ。消化による体への負担が軽減されて、胃や腸も喜びます。使いかたはお肉と塩をポリ袋に入れて揉み、さらにホエイを加えて揉んだら、冷蔵庫でひと晩寝かせるだけです。じっくり熟成したような、柔らかい肉料理になります。
パンやパンケーキ作りに使う
豆乳ヨーグルトのホエイはパンケーキやパン作りにも活躍します。パンケーキ作りの牛乳代わりに、自宅でパンを焼くときの水分として、必要な水分量の全量または一部に加えましょう。翌日までしっとり、ふわふわのパンケーキやパンが作れます。ただホエイには多少の酸味があるので、気になる人は加える量を調節してください。
化粧水として使う
豆乳ヨーグルトのホエイに少量の「グリセリン」と水を加えて、化粧水にしましょう。保湿効果や肌の新陳代謝を促進する効果、肌荒れ・ニキビの改善など、うれしい効果が期待できます。作りかたはホエイと精製水を「1:2」の割合で混ぜ、グリセリンは「100mlに対して小さじ1」加えてください。ホエイの匂いが気になるときは、ラベンダーやローズマリーなどアロマオイルを加えるのがおすすめです。
入浴剤として使う
豆乳ヨーグルトのホエイは、お風呂の入浴剤としても使えます。保湿効果が高く、乾燥しやすい冬の時期に、おすすめです。好きな香りのアロマオイルを一緒に加えると、リラックス効果も高まります。もともと敏感肌で肌荒れが心配な人は、パッチテストをしてからお使いくださいね。
豆乳ヨーグルトの水分まとめ
豆乳ヨーグルトの上澄みは「ホエイ」と呼ばれます。ホエイは乳酸菌のほかタンパク質やアミノ酸なども含まれる栄養豊富な水分で、豆乳ヨーグルト作りの種菌に最適です。漬け物に加えて爽やかな酸味を楽しむも良し、ジュースや味噌汁に加えたり、ご飯を炊く水分として活用する方法もあります。栄養や旨味をアップさせながら、手軽に乳酸菌が摂れるので、毎日の腸活に取り入れてみましょう。ただし酸味を感じやすい人は、量を調節しながら使ってくださいね。
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