ビーガンはメリットが多い?気を付けたいポイントやおすすめの代用食も紹介

2023年01月06日(公開日:2023-01-06)

健康志向や美容意識の高まりをうけ、ビーガンの食生活に注目が集まっています。始まりは人と動物の共存、環境保護を目的としたライフスタイルの確立でしたが、近年はカジュアルに実践する人も増えています。そこで今回はビーガンのメリット・デメリット、気を付けたいポイントを紹介します。動物性食品の代わりになる食品も紹介しているので、これからビーガンを実践したい人はぜひ参考にしてください。

ビーガンとは

「ビーガン」とは、肉や魚など動物性食品を口にしない人を指します。日本語では完全菜食主義者と呼ばれ、ベジタリアンの一種です。野菜や果物、穀類、キノコ類など植物性食品を使った食事が基本で、卵や乳製品も口にしません。動物保護や環境保全目的の人もいれば、健康や美容目的でカジュアルに取り入れる人もいたり、各々目的は異なります。 

ビーガンのメリットは?

動物性食品を摂らないビーガンの食事は、植物性食品が基本です。植物性食品を毎日の食事に取り入れると、うれしいメリットがたくさんあります。ここでは、ビーガンを取り入れるメリットを紹介します。 

疲れにくい体になる 

ビーガンの食事を取り入れると、疲れにくくなるメリットがあります。植物性食品を使った食事は、消化吸収がスムーズです。必要なエネルギーは、動物性食品を摂取したときに比べて約3分の1。内臓にかかる負担が軽減されて、エネルギーを体の回復に使えるため、疲れにくくなります。 

血圧が安定しやすい 

ビーガンの食生活は、血圧が安定しやすくなるメリットがあります。血圧とは「心臓から送られる血液が全身へと流れていくときに、動脈にかかる圧力」のことです。血圧が高すぎる状態が続くと、頭痛やめまいなど軽度の症状にはじまり、そのままにしていると心筋梗塞や脳卒中を引き起こします。 

とくに飽和脂肪酸が多く含まれる動物性食品は、高血圧を悪化させる原因です。脂身の多い肉類や加工肉、コレステロールの多い魚卵は、なるべく控えましょう。

生活習慣病の予防効果 

ビーガンを取り入れることで、生活習慣病の予防効果が期待できます。生活習慣病を予防するうえで大切なことは、食物繊維を摂ることです。野菜や果物、海藻類、キノコ類を毎日一定量摂ることで便通が整います。また、脂質や糖などを吸着して体外に排出する働きがあるため、生活習慣病の改善にも効果的です。 

また動物性食品を一切口にしないために、原材料や添加物への意識が高まります。製造方法や食品加工に関する知識も増えて、体に優しい食材を自然に選ぶようになるのです。 

便通改善の効果 

ビーガンの食事は、便通改善の効果が期待できます。野菜や果物、キノコ類などの植物性食品は、食物繊維が豊富です。食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで届きます。便の容積を増やして大腸を刺激し、スムーズな排便を促します。 

とくにキノコ類の一種である「キクラゲ」は、不溶性食物繊維が57.4g(100gあたり)も含まれています。コリコリした食感で食べごたえがあり、カルシウムやビタミンDも豊富です。 

美肌になる 

ビーガンの食生活を実践することで、肌がきれいになるメリットがあります。野菜や果物中心の食生活になり、美肌に欠かせないビタミンやミネラルをしっかり摂れるためです。 

また、食物繊維が豊富なビーガンの食事は、腸内環境の改善効果が期待できます。腸内環境と肌は繋がっているため、腸を整えることが美肌への近道です。肌荒れを起こしにくくなり、肌の調子が良くなる効果が期待できます。 

反対に、肉類やバターなどの動物性食品には、動物性脂肪が含まれています。皮脂の分泌を促す動物性脂肪は、毛穴が詰まる原因です。さらに過剰摂取が続けば、腸内フローラのバランスが崩れやすくなるため、肌荒れやアレルギーを引き起こします。 

ダイエット効果

ビーガンの食生活を取り入れることで、ダイエット効果が期待できます。動物性食品を摂らない食事は、野菜や果物、豆類が中心です。ダイエットに欠かせない食物繊維やビタミンは摂りながら、低カロリーな食生活を実践できます。 

一方で動物性食品に含まれる脂質は、ダイエット阻む栄養素です。体内で分解されにくく中性脂肪になりやすい飽和脂肪酸が豊富に含まれます。体重は正常値でも中性脂肪値が増えた、メタボ判定に引っかかりそうな人はビーガンの食事を実践しましょう。 

ビーガンのデメリットは? 

さまざまな効果が期待できるビーガンですが、デメリットもあります。今回は3つのデメリットを紹介します。 

ビーガン向け飲食店が少ない

ビーガンが外食するときは、飲食店選びに苦労しやすいデメリットがあります。ビーガンへの関心は高まりつつあるものの、実践している人は少ないのが現状です。ビーガン対応の飲食店は、事前に専用のレストランガイドでリサーチする必要があります。 

海外は、ビーガンやベジタリアンな食生活を実践する人が増加傾向にあります。環境や動物福祉への関心の高さ、健康志向の高まりなどが要因です。とくにビーガン人口が増えているイギリスやアメリカでは、ビーガン向け食品を扱う飲食店が豊富に揃います。 

栄養が偏りやすい

野菜や果物がメインとなるビーガンの食事は、栄養が偏りやすい点がデメリットです。肉類や魚類、牛乳、卵など動物性食品から摂っていた栄養素を、植物性食品で補う必要があります。とくに不足しやすい栄養素は、タンパク質やカルシウム、ビタミンB群、ビタミンD、鉄分です。 

それぞれの栄養素を含む植物性食品の一例を紹介します。 

  • タンパク質…大豆食品、豆類、キヌア 
  • カルシウム…大豆食品、ブロッコリー、ケール、小松菜、ナッツ類 
  • ビタミンB群…海苔、ワカメ 
  • ビタミンD…キノコ類 
  • 鉄分…豆乳、がんもどき、小松菜 

ビーガンは鉄分豊富な肉類や魚類を摂らないことから、貧血になりやすいといわれています。吸収率の高いヘム鉄は動物性食品に含まれる鉄分で、植物性食品に含まれる鉄分は非ヘム鉄だからです。鉄分の吸収を促すために、非ヘム鉄を含む食品+「ビタミンC」「クエン酸」を取り入れる必要があります。 

効果は個人差がある 

健康や美容効果が高いビーガンですが、どれほどの効果を実感できるかは個人差があります。長きにわたり栄養が偏り続けたことで、体に不調が出る人もいます。肌荒れや脱毛、ダルさといった症状を感じたら、無理をしないで中断してください。 

ビーガンの気を付けたいポイント3選 

ビーガンを実践するときに気を付けたいポイントを3つ紹介します。健康的にビーガン生活を楽しみたい人は、参考にしてくださいね。 

亜鉛を摂る 

ビーガンを実践する場合は、亜鉛を含む切り干し大根やきなこ、納豆、ナッツ類を摂りましょう。亜鉛は皮膚や骨、筋肉に含まれているミネラルの一種です。皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、不足すると免疫力が低下しやすくなります。 

カルシウムを摂る 

ビーガンは、カルシウムを含む大豆食品やブロッコリー、小松菜、ナッツ類を摂りましょう。 

牛乳やチーズなどの乳製品を摂らないため、カルシウム不足に注意が必要です。不足すると骨粗しょう症の進行を早めたり、骨折しやすくなります。 

また、カルシウムの吸収を促すビタミンDも不足しやすいです。大豆食品やブロッコリーと一緒に、ビタミンDが豊富なキノコ類を摂るように心がけましょう。 

鉄分とビタミンB12を摂る

ビーガンを実践する場合は、鉄分とビタミンB12を含む食品を摂りましょう。鉄分とビタミンB12は、健康的な血液を作るために必要な栄養素です。鉄分は豆乳や小松菜、ビタミンB12は海藻類や緑黄色野菜から摂取できます。一緒に摂ることで貧血予防に効果的です。 

ビーガン初心者が取り入れやすい4つの食品 

これからビーガンを取り入れたい人は、植物性食品の割合を少しずつ増やしましょう。急に100%ビーガンに切り替えることは難しく、体への負担も大きいです。ここでは、ビーガン初心者が取り入れやすい食品を4つ紹介します。 

豆乳 

牛乳の代わりに、豆乳を取り入れましょう。牛乳ほどカルシウムは含まれませんが、鉄分や食物繊維が補給できます。そのほかアーモンドミルクやオーツミルクもおすすめです。 

大豆食品 

肉類の代わりに、大豆食品を取り入れましょう。とくに肉は一切使用しない「大豆ミート」がおすすめです。100%植物性食品でありながら、肉のような食感で食べ応えがあります。 

メープルシロップ 

ハチミツは、メープルシロップで代用できます。ビーガンは「脱搾取主義」の思想を尊重するため、蜂からの搾取にあたるハチミツは食べません。そのほかアガベシロップやココナッツシュガーもおすすめです。 

植物性チーズ 

チーズの代わりに、豆類から作られる植物性チーズを取り入れましょう。植物性チーズは別名「アナログチーズ」と呼ばれ、植物性脂肪と植物性タンパク質が原材料です。大型スーパーで購入も可能ですが「酒粕」「ニュートリショナルイースト」を使えば、自宅で簡単に手作りできます。 

まとめ 

ビーガンは、健康や美容にさまざまな効果が期待できます。疲れにくくなったり、血圧が安定しやすくなる効果生活習慣病の予防効果など、長期的にみてメリットが多いです。便秘改善美肌効果といった女性にうれしい効果も期待できます。 

ただ、栄養が偏りやすいため、食事には配慮が必要です。とくにビーガン初心者が急に食生活を切り替えた場合、体に不調が出やすくなります。まずは「1日1食だけ」など、体を慣らしながら徐々に切り替えていきましょう。 

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