植物性ヨーグルトとは?種類やメリット・デメリット、牛乳ヨーグルトとの違いも解説

2023年01月24日(公開日:2023-01-24)

近年日本でも「ヴィーガン」「ベジタリアン」といった言葉を耳にする機会が増えました。

ヴィーガンやベジタリアンでも食べられるヨーグルトとして注目されているのが、植物性ヨーグルトです。そこで今回は、植物性ヨーグルトについて解説します。種類やメリット・デメリットも詳しく紹介しているので、参考にしてください。

植物性ヨーグルトとは

「植物性ヨーグルト」は、原料に豆乳や米、アーモンドミルクなどを使用したヨーグルトのことです。ほとんどの製品が牛乳由来の原料は使わず、植物性ミルクを発酵させています。

一般的な市販のヨーグルトは、牛乳を発酵させて作られています。毎日の食生活に取り入れやすい発酵食品のひとつですが、食べられない人もいます。例えば、乳アレルギーや乳糖不耐症の人です。摂取すれば腹痛や下痢、呼吸困難など体にアレルギー反応が起こります。

一方、市販の植物性ヨーグルトであれば、乳アレルギーや乳糖不耐症、ヴィーガンの人も食べられます。

また、植物性ヨーグルトは低脂質・低カロリーで、栄養価に優れた食品です。近年の健康志向や美容意識の高まりが、植物性ヨーグルトの注目度をより高めています。

植物性ヨーグルトの種類

植物性ヨーグルトの種類は、原料によって決まります。例えば豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルクなどです。原料により異なる食感、香りや味わいを楽しめます。植物性ヨーグルトに多く使われる原料と、それぞれの特徴を紹介します。

豆乳

植物性ヨーグルトの代表格といえば「豆乳」のヨーグルトです。豆乳ヨーグルトとは、豆乳に乳酸菌を加えて発酵させたヨーグルトです。

大豆由来の原料であることから、大豆イソフラボンや食物繊維といった女性にうれしい栄養素が豊富に含まれます。トロっとした絹ごし豆腐のような食感と、あっさりとした味わいが特徴です。そのまま食べても美味しいですが、ドレッシングなどアレンジレシピも楽しめます。

近年とくに種類が増えつつある豆乳ヨーグルトは、低カロリーで低糖質、低脂質。満腹感が続きやすいことから、毎日の健康習慣として取り入れられています。

大豆

原料に「大豆」を使った植物性ヨーグルトもあります。大豆ヨーグルトは豆乳ヨーグルトとは違い、豆乳では取り除かれてしまう「おから」の成分も含まれています。そのため食物繊維が豊富なのが特徴です。

大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど良質なタンパク質を含みます。とくに大豆イソフラボンは、大豆にわずか0.4%前後しか含まれない貴重な成分です。美肌ホルモンのエストロゲンの働きを補い、若々しい肌や髪の維持をサポートしてくれます。

大豆ヨーグルトは、酸味が少なくクリーミーな味わいです。女性や子どもも食べやすく、いつものヨーグルトに変えて習慣化しやすい特徴があります。ジャムやシロップをかけておやつ代わりにしたり、味噌汁やアボカドにトッピングして食卓に+1品するのもおすすめです。

お米

植物性ヨーグルトには、お米から作られる「米粉」を使ったヨーグルト風食品もあります。お米からとれた乳酸菌を使ったヨーグルトで、原材料はお米と乳酸菌と水です。お米を炊き上げ、発酵食品由来の植物性乳酸菌で発酵させています。

お米のヨーグルトは、マヨネーズやサラダ、スムージーなどアレンジレシピが豊富です。余計なものを使わず、シンプルな原料で作られているから料理の味をジャマしません。乳成分や大豆を一切含まないため、乳アレルギーや大豆アレルギーの人でも楽しめます。

アーモンドミルク

近年、注目を集めているのが「アーモンドミルク」を使ったヨーグルトです。原料に乳成分は一切使わず、アーモンドと水から作られます。

牛乳由来のヨーグルトに比べて、低カロリーで低糖質。しっかりカルシウムは摂りながら、ビタミンEや食物繊維などアーモンド由来の栄養が豊富に含まれます。

アーモンドミルクヨーグルトは口当たりのなめらかさと、アーモンドの香ばしさが特徴です。ココアに入れてアーモンドのリッチな味わいを楽しんだり、マッシュポテトにマヨネーズ代わりに入れても楽しめます。

ココナッツミルク

原料に「ココナッツミルク」を使ったヨーグルトもあります。乳成分を一切使わず、ココナッツミルクを乳酸菌で発酵させた植物性ヨーグルトです。

ココナッツミルクヨーグルトの特徴は、中鎖脂肪酸を気軽に摂取できることです。中鎖脂肪酸100%の油は「MCTオイル」と呼ばれます。MCTオイルは消化吸収が早く、すぐエネルギーになるオイルです。毎日摂ることで、運動能力の向上や疲労軽減の効果があります。

ココナッツの香りとほのかな酸味を活かしたアイスクリーム、スパイスの効いたカレーにアレンジしても美味しいです。

植物性ヨーグルトのメリット・デメリット

植物性ヨーグルトには、動物性とは異なるメリット・デメリットがあります。植物性ヨーグルトを取り入れたい、動物性ヨーグルトを卒業したいと考えている人は参考にしてください。

植物性ヨーグルトのメリット

栄養価が高い

植物性ヨーグルトは、豊富な栄養素を摂取できるメリットがあります。一般的な牛乳ヨーグルトに比べて、食物繊維やミネラル、葉酸など女性にうれしい栄養成分が多いです。植物性タンパク質も含むことから、普段の食事で不足しがちなタンパク質の補給にも向いています。

植物性ヨーグルトは、必要な栄養素から選べるのもメリットです。それぞれ原料により摂取できる栄養素が変わります。例えば、豆乳ヨーグルトなら美肌効果が期待できる大豆イソフラボン、アーモンドミルクなら悪玉コレステロールの増加を防ぐオレイン酸を摂取できます。

低脂肪・低糖質

植物性ヨーグルトのメリットは、低脂肪・低糖質であることです。栄養バランスに影響が少なく、毎日気軽に取り入れられます。

女性の1日に摂るべき適正量は、脂肪(脂質)は約50g、糖質は約270gです。脂肪(脂質)は肉類や油類、糖質は米やパン、麺類に含まれているため、現代人は過剰摂取の傾向があります。

脂肪(脂質)、糖質の摂りすぎは、健康を害する可能性があるため危険です。脂肪(脂質)の摂りすぎは血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させるリスク、糖質の摂りすぎは生活習慣病やうつ病、老化を促進するリスクがあります。

乳アレルギーでも食べられる

乳アレルギーの人でも食べられるのが、植物性ヨーグルトのメリットです。市販の植物性ヨーグルトのほとんどが、牛乳由来の成分を含みません。

100%植物性にこだわり、植物性乳酸菌を使って発酵させているヨーグルトが多いです。乳アレルギーやヴィーガン、ベジタリアンの人も安心して食べられます。また、牛乳でお腹を壊しやすい乳糖不耐症の人にもおすすめです。

植物性ヨーグルトのデメリット

植物性ヨーグルトのデメリットは、牛乳ヨーグルトに比べて、カルシウムの含有量が少ないことです。カルシウムは、健康な骨や歯の維持に必要な栄養素です。不足状態が続くと骨はスカスカになり、骨粗しょう症のリスクが高まります。とくに日本では、60歳代女性の約5人に1人が骨粗しょう症といわれています。男性の約2~3倍、閉経後の女性に多い病気です。

今までカルシウムを牛乳ヨーグルトや牛乳で補っていた人は、カルシウムを含む食品を意識的に取り入れましょう。例えば大豆食品やブロッコリー、小松菜、ナッツ類などです。カルシウムの吸収を促すビタミンDが豊富なキノコ類と併せて摂りましょう。

動物性ヨーグルトのメリットは?

動物性ヨーグルトのメリットは、植物性ヨーグルトに比べて、カルシウムの含有量が多いことです。1日の摂取目安量は30~60代の男性で約740g、30~60代の女性で約660gです。人間は体の1~2%がカルシウムといわれ、不足状態が続くと骨や歯が弱ります。カルシウムを多く含む食品は魚介類や大豆食品などありますが、取り入れやすいのが乳製品です。調理の必要がなく、とくにヨーグルトは時間がない日の朝食、小腹が空いたときのおやつ代わりに重宝します。

反対にデメリットは、お腹がゴロゴロしやすいことです。これは牛乳に含まれる乳糖を消化する乳糖分解酵素が少ない、または働きが弱いために起こります。とくに激しい下痢症状がある場合は、消化器科内科または胃腸内科の受診が必要です。

市販のおすすめ植物性ヨーグルト4選

市販の植物性ヨーグルトは、種類が豊富です。さまざまな原料から作られるため、何を選べばいいか分からない人が多いかもしれません。ここでは原料別におすすめの植物性ヨーグルトを4つ紹介します。

豆乳グルト(豆乳)

引用:豆乳グルトHP

「豆乳グルト」は、マルサンアイ株式会社から発売されている豆乳ヨーグルトです。機能性表示食品として認められており、2週間摂取すると便通を改善する効果があります。乳成分は不使用、植物性乳酸菌で発酵させているから、乳アレルギーやヴィーガンにもおすすめです。

まるごと大豆のヨーグルト(大豆)

引用:フジッコHP

「まるごと大豆のヨーグルト」は、フジッコ株式会社から発売されている大豆ヨーグルトです。植物性タンパク質や大豆イソフラボン、おから由来の食物繊維が摂取できます。コレストロール0だから、健康習慣として取り入れやすいヨーグルトです。

アーモンドミルクヨーグルト(アーモンドミルク)

引用:国分フードクリエイトHP

「アーモンドミルクヨーグルト」は、国分フードクリエイト株式会社から発売されているアーモンドミルクヨーグルトです。低カロリーでコレステロール0、カルシウムは豆乳の約4倍を含む栄養価に優れたヨーグルトです。

ココナッツヨーグルト(ココナッツミルク)

引用:フルッタフルッタHP

「ココナッツヨーグルト」は、株式会社フルッタフルッタから発売されているココナッツミルクヨーグルトです。乳成分、甘味料、着色料、増粘剤の不使用にこだわった、シンプルな原材料が魅力です。

まとめ

植物性ヨーグルトは豆乳や米、アーモンドミルクなど植物由来の原料で作られるヨーグルトです。ヴィーガンや乳アレルギーの人でも食べられます。植物性ヨーグルトは、一般的なヨーグルトに比べて栄養価が高く、低脂質・低糖質のメリットがあります。毎日の健康習慣に取り入れてみましょう。

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