すんき漬けはどんな漬物?塩分不使用、植物性乳酸菌豊富でヘルシー! 

2023年01月17日(公開日:2023-01-17)

すんき漬けとは? 

すんき漬けは赤かぶの葉茎を乳酸発酵させて作る漬物です。長野県の木曽地方で冬の保存食として昔から作られ、親しまれてきました。 

かぶの茎と根の付け根に乳酸菌が多く含まれるといわれており、その乳酸菌によって発酵されます。独特の酸味はこの乳酸発酵によるものです。また、この乳酸菌の効果により木曽地方では昔から健康維持に役立てられていた食材でもあります。 

すんき漬けに使われるかぶは「開田かぶ」「王滝かぶ」「三岳黒瀬かぶ」「吉野かぶ」「芦島かぶ」「細島かぶ」というような木曽地方の各地域の品種が使われています。ちなみに、葉を除いたかぶの部分は「赤かぶ漬け」として使われています。 

すんき漬けの最大の特徴は塩を使っていないことです。通常の漬物は塩を使って作られますが、すんき漬けには何も加えず、かぶを乳酸発酵させるだけで作られます。 

その理由は、長野県は海から遠く、昔は塩を手に入れるのが困難な環境だったからです。塩を節約するための知恵からすんき漬けは生まれたのです。 

すんき漬けの作り方は? 

すんき漬けは秋の終わりごろから冬にかけて作られます。美味しいすんき漬けを作るには霜が降りるほどの寒さが重要とされています。 

手順としては、まず収穫されたすんきを洗い、湯につけて殺菌します。細菌が繁殖しにくい冬に作るという点と、塩を使わない代わりに湯がくことで殺菌し、保存性を高めています。 

下処理が終わったら「種」となる前年に漬けたすんきを交互に重ねて桶に入れます。昔は山ぶどうなどの実を叩いて潰したものを種として用いていましたが、今は前年に漬けたすんきを用います。この種によって新たに漬けるすんきが発酵されていくのです。 

桶がいっぱいになったら重石をしてふたをします。1日置いてなじませた後は冷暗所に寝かせ、2週間~1か月ほどで完成です。 

長野県の特産品なのであまり他の地域では流通しませんが、通販などで手に入れることができます。 

すんき漬けとすぐき漬けの違いは? 

すんき漬けと似ている名前の「すぐき漬け」がありますが、実は全く別物になります。 

すんき漬けは長野発祥の漬物ですが、すぐき漬けは京都の上賀茂発祥です。 

すぐき漬けも「すぐき」というかぶの一種を使った漬物ですが、大きな違いは塩を使っていることです。すぐき漬けはすぐきに塩を加えて漬け、約40℃に保たれた部屋に重石を乗せた樽を「室」に移動させて発酵させて作ります。  

すぐき漬けは京都の三大漬物として有名で、すんき漬けと同じく乳酸菌が豊富なので京都に行く際はぜひ手に入れてみてください。 

すんき漬けは植物性乳酸菌が豊富! 

すんき漬けには、ヨーグルトに匹敵するくらいの乳酸菌が含まれているといわれています。 

すんき漬けの乳酸菌には整腸作用以外にも抗アレルギー作用や免疫調整機能、疾病予防作用なども注目されており※1)、今も研究が重ねられています。 

すんき漬けは通常の漬物と違い、塩を使っていないので塩分を気にせず食べられるのもうれしいポイント。食物繊維も豊富なので乳酸菌の餌と(プレバイオティクス)と乳酸菌を同時に摂れるという観点からも優秀です。 

すんき漬けのおすすめの食べ方

 かつお節と醤油をかけて食べるのがオーソドックスな食べ方です。塩気のないすんき漬けに加えることで美味しく食べられます。 

温かいそばにすんきを乗せて食べる「すんきそば」が人気の食べ方です。そばの出汁とすんきの酸味が合わさって絶妙な風味。冬の木曽地方ではよく見かける一品になっています。 

他にも味噌汁に加えたり、チャーハンに混ぜたり、コロッケの具に混ぜたりと食べ方はアレンジ次第で無限です。自分で新しい食べ方を見つけるのも楽しそうですね。 

すんき漬けはどこで手に入る?

すんき漬けは主に産地である長野県木曽郡の事業所・販売所で手に入れることができます。通販を行っている店舗もあるので、他地方でも購入できます。

道の駅 日義 木曽駒高原 

https://www.kiso-shop.jp/

長野県木曽郡木曽町 日義4730-3

電話.0264-23-3644
FAX.0264-23-3645

アルプス物産 

https://www.alpusbussan.co.jp/

長野県木曽郡木曽町 新開2386-1 

電話.0264-22-2351 
FAX.0264-22-2305 

ふるさと体験館きそふくしま 

https://taikenkan.jp/

長野県木曽郡木曽町 新開6959 

電話 0264-27-1011 
FAX 0264-27-1012 

開田高原 彩菜館 

https://kaidakougen.jp/

長野県木曽郡 木曽町開田高原末川2891-1 

電話.0264-42-1360 
FAX.0264-42-1370 

(一財)開田高原振興公社 

https://kaidasoba.jp/

長野県木曽郡木曽町 開田高原西野2766 

電話.0264-44-2251 
FAX.0264-44-2335 

みたけグルメ工房 

http://www.mitake-gourmet.com/ 

長野県木曽郡木曽町 三岳10491-9 

電話 0264-46-3677 
FAX 0264-46-3678 

ひまわりマーケット 

http://www.ontake.jp/places/%E3%81%B2%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88 

長野県木曽郡 王滝村4501-1

電話 080-7275-2741
FAX 0264-48-2013 

JA木曽王滝生活店 

https://www.ja-kiso.iijan.or.jp/about/office 

長野県木曽郡 王滝村2891-1 

電話 0264-48-2121 
FAX 0264-48-2122

まとめ 

塩を使わない木曽地方特有の漬物、すんき漬け。塩を使っていないので塩分が気になる人でも食べやすい漬物です。また、腸まで届きやすい植物性乳酸菌が豊富に含まれているので腸活の食材としても最適です。幅広くアレンジして食べられるので、自分好みの食べ方で楽しんでみてください。 

参照:
※1)農林水産省 地理的表示産品情報発信サイト 
https://gi-act.maff.go.jp/register/entry/34.html

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