乳酸菌が含まれる食べ物はこれ。ヨーグルトや飲み物も
2022年09月20日(公開日:2022-09-20)
腸活に良いとされる乳酸菌。乳酸菌が含まれる食べ物にはどんなものがあるのでしょうか。定番のものから意外と知られていないものまで8つご紹介。ヨーグルトのほか、飲み物なども登場します。
乳酸菌とは
乳酸菌とは、食物に含まれる糖を分解して乳酸を作る微生物の総称です。乳酸菌が含まれる食べ物の製造工程には、乳酸菌の活動が深く関係しています。なかでも、生きて腸に到達できるものは「プロバイオティクス」と呼ばれ、腸内細菌をサポートし、健康増進に役に立ちます。
次で、代表的な食品をご紹介しましょう。
乳酸菌が含まれる食べ物
*1.ヨーグルト
乳酸菌が含まれる食べ物といえば、代表的なものがヨーグルトでしょう。一般的なヨーグルトは牛乳を原料とし、牛乳に含まれる乳糖を乳酸菌が分解することで作られています。使用される乳酸菌の種類はさまざま。乳酸菌の違いによって、食感や酸味はもちろん、効能が変わります。
効能の違いによって選ばれることも多く、腸内環境の改善のほか、内臓脂肪を減らすのを助けたり、便通改善に役立ったり、整腸作用があるなど、乳酸菌の種類や組み合わせによっていろいろなサポートが受けられますよ。
*2. チーズ
チーズも乳酸菌が含まれる食べ物の代表的存在です。古くから伝わる保存食で、主に家畜の乳を原料として作られていました。
牛やヤギの乳を乳酸菌によって発酵、酸化させて、加熱したり凝固させたりして作られます。ヨーグルトと同じく、使用する乳酸菌や熟成期間によってさまざまな味わいを楽しむことができます。香りや硬さも変わるので、チーズには数えきれないほどの種類があるのです。
なかでもナチュラルチーズは、たっぷりの乳酸菌を含むチーズで、乳酸菌の含有量は、意外にもヨーグルトとほぼ同程度なのです。
*3. ぬか漬け
日本古来のお漬物、ぬか漬けも乳酸菌を含む食べ物です。漬け込む“ぬか床”にたっぷりの乳酸菌が存在しています。このぬか床は、米ぬかに塩と水を練り合わせ、唐辛子や昆布などを入れて作られます。米ぬかの乳酸菌なので、植物性乳酸菌ということになります。
乳酸菌のエサとなるのが漬け込む野菜です。毎日何かしらの野菜を漬け込むことで、乳酸菌が育ちますよ。
*4. キムチ
韓国のお漬物キムチも、乳酸菌を含む食べ物。白菜を塩に漬け込み、唐辛子やにんにく、アミエビなどの塩辛を加えて乳酸発酵させて作られます。アミエビなど魚介の塩辛を加えることで乳酸菌による発酵が促進。キムチ特有の旨味と酸味は、乳酸菌によって生まれるのです。
*5. 納豆
意外と思われる方も多いかもしれませんが、納豆も乳酸菌を含む食べ物です。一般的な納豆を作る際に添加されるのは乳酸菌ではなく納豆菌ですが、空気中の乳酸菌が入るため、どちらも含まれます。
加えて、乳酸菌と納豆菌の相性の良さは抜群。納豆菌が腸の中で善玉菌として働き、元々腸にいる善玉菌の働きをサポートします。悪玉菌の繁殖を抑えたり、消化活動を助けて腸の負担を軽くしたり、善玉菌と一緒になってビタミン類の生成などにも関与しているとされています。
さらに、うれしいのが納豆菌の圧倒的な繁殖力です。生きて腸内に届いた納豆菌は、爆発的ともいえる力で増殖し、仲間を増やします。その際に、納豆菌はさまざまな酵素や物質を副産物として産出しますが、この中には、乳酸菌など善玉菌のエサになる物質も含まれているのです。
善玉菌はこのエサを食べて仲間を増やし、善玉菌優勢の腸内環境を作り出してくれますよ。
*6. 味噌
日本人に馴染みの深い味噌も乳酸菌を豊富に含みます。大豆・米麹・塩を原料にして作られ、発酵の段階で乳酸菌や酵母が生まれます。
味噌を摂ることで、大豆イソフラボンや良質なタンパク質も一緒に摂取することができます。お味噌汁は具材を変えて毎日楽しむことができるので、とても手軽ですね。
*7. 日本酒
米・米麹・水を原料として作られる日本酒にも乳酸菌が含まれます。なんとこの乳酸菌がおいしさの基本なのです。アルコール発酵させるための酵母を育てるものを「酒母(しゅぼ)」といいますが、これを作る工程で活躍するのが乳酸菌です。
酵母はとてもデリケートで、微生物や雑菌が入り込むとすぐに死んでしまいます。ただし、微生物や雑菌が苦手とする“酸性に強い”という特徴があるため、酒母の環境を酸性に保つことが重要で、ここで乳酸菌が用いられます。
直接加えるほか、自然の乳酸菌を育成する方法もあり、この違いによって味わいが変わるようです。ゆっくりと時間をかけて乳酸菌を育ててできあがった日本酒は酸度が高く、濃厚で芳醇な味わいですよ。
*8. 乳酸菌飲料
手軽に乳酸菌が摂取できる、乳酸菌を含む食べ物といえば、乳酸菌飲料でしょう。ヨーグルトには劣りますが、1mlあたり100万以上の乳酸菌(または酵母)を含むことが、法令で定められています。
近年では、乳酸菌の機能性に関するさまざまな研究が進み、たくさんの種類の乳酸菌飲料が販売されています。効能によって選ぶことができるのもポイントです。(※1)
腸活によい乳酸菌が含まれる食べ物の摂り方
食べるタイミング
腸がもっとも活動するのは、起床から15〜19時間後とされています。これはおよそ夕食後のタイミング。
ここで乳酸菌を含む食べ物を摂ることで、寝ている間に乳酸菌が働いて、腸の運動を活性化してくれます。ただし、寝る前の食事は睡眠の質を下げるので、就寝の2時間前には食べ終えるのが理想です。ヨーグルトや乳酸菌飲料、日本酒などが良さそうですね。
効果を引き出す食べ方
腸活に欠かせない乳酸菌などの微生物のうち、生きて腸に到達できるものを「プロバイオティクス」、その栄養源となりプロバイオティクスを増やすものを「プレバイオティクス」といいます。
乳酸菌は「プレバイオティクス」を含む食品と食べるのがおすすめ。両方を組み合わせることを「シンバイオティクス」と呼びます。乳酸菌の効果を最大限に引き出し、腸活に役立てましょう。
乳酸菌を含む食べ物を積極的に摂りましょう
摂っても、排出されてしまう乳酸菌。毎日こつこつ摂ることがとても大切です。毎日ヨーグルトや、毎日納豆、毎日が続くと飽きてしまいますが、ご紹介したように乳酸菌を含む食べ物はとてもたくさんあります。組み合わせやローテーションで楽しみながら、乳酸菌をとることをぜひ続けてみてください。
参照:
(※1)法規で定められた規格|一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会
発酵乳乳酸菌飲料公正取引協議会
https://www.nyusankin.or.jp/know/law/
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